それ、加齢じゃなくて COPDという 病気かも

階段を上がるときの息切れや、長引く咳や痰はありませんか?

これらは加齢や風邪によるものとして
見過ごされがちな症状ですが、
それは「COPD」という肺の生活習慣病かもしれません。

COPDあるある漫画

監修医 :
久留米大学医学部内科学講座 呼吸器・神経・膠原病内科部門
教授 川山 智隆 先生
  • ・COPDは、タバコの煙などの有害物質を長期にわたって吸入することなどで起きる肺の病気です。呼吸困難や長引く咳・痰などの症状がみられますが、これらの症状がなくてもCOPDである場合があります。
  • ・COPDの診断基準は次のとおりです。①タバコの煙などの有害物質に長期間さらされた経験があること、②呼吸機能検査で1秒率(気道が狭くなる病気を見つける指標)が 70% 未満であること、③他に気道を狭めるような病気がないこと。

(一般社団法人 日本呼吸器学会. COPD診断と治療のためのガイドライン2022 [第6版]. 2022年、メディカルビュー、東京. )

COPDの原因と重症化について知ろう

COPDの主な原因は、
タバコの煙です

COPDは主にタバコの煙などを長期に吸入することで、肺胞(肺のなかで気管支につながる袋)が破壊され、呼吸がしにくくなる病気です。
喫煙者と喫煙経験のある人や、受動喫煙の場合もCOPDの可能性があります。

重症化すると 酸素ボンベを
持ち歩く生活
になることもあります

COPDが進行して重症化すると、少し動くだけで息が苦しくなり、周りの人の手を借りたり、酸素ボンベを持ち歩く生活になることもあります。

少しでも気になる症状がある⽅は
医師へご相談ください。

COPDってどんな病気?

壊れた肺胞は元に戻りません。
早期発見が大事です

気づかないうちに進行する
病気です
(約500万人が気づいていない・診断されていない)

急激に悪化することが
あります

40歳代から徐々に増え
60歳代以上に多くみられます

COPDは心身が衰えた状態(フレイル)をもたらすことがあります

早期発見で治療費が抑えられる可能性があります

COPDの進行を今くいとめるために。
気になる症状がある⽅は、
早めに医師へご相談ください。

治療すれば、病状悪化は防げるかもしれません

COPDの治療目標は、息切れ、咳、痰などの症状を改善し、生活の質を改善することと、
COPDの進行と急激な増悪を予防することです[1]
禁煙が最も基本的な治療ですが、薬剤を用いた治療が、治療目標を達成するために
中心的な役割を担います。
また、治療では禁煙のためのさまざまなサポートを受けることも可能です。

[1]一般社団法人 日本呼吸器学会. COPD診断と治療のためのガイドライン2022 [第6版]. 2022年、メディカルビュー、東京.

治療目標

  • 生活の質を改善
  • 症状改善
  • 増悪予防

患者さんの健康寿命を保つ

*健康上の問題で日常生活が
制限されることなく生活できる期間

喫煙者や、受動喫煙の機会が多い方で、COPDを疑う症状があるかもと感じたら、
かかりつけ医や病院を受診することを
お勧めします。
早期発見で病気の進行を防ぐことが
何よりも大切です。

よくある質問

家庭の換気扇の下で喫煙していても、子どもの尿からは大量のニコチン代謝物が検出されることや1)、飲食店などで分煙がなされていても、人が出入りする際、体にまとわりついたタバコの煙から有害物質が拡散される2)など、受動喫煙は広い範囲で生じていたことが報告されています。このように、日常生活のなかで、自覚せず受動喫煙している可能性があることに加え、喫煙者でない人は喫煙者以上にタバコの煙の影響を受けやすく、少量の受動喫煙であっても喫煙者に劣らず健康被害を受けることが報告されています3)。このため、ご自身がタバコを吸わなくても、受動喫煙によりCOPDを発症する可能性が出てきます4)

  • 1.Johansson A, et al. Pediatrics. 2004; 113: e291-5.
  • 2.厚生労働省: たばこ規制枠組条約第2回締約国会議の概要
  • 3.Barnoya J, et al. Circulation. 2005; 111: 2684-98.
  • 4. Zubair T, et al. J Pak Med Assoc. 2018 Sep;68:1310-15.

COPD患者さんでは息が吐き出しにくくなっているため、COPDの診断では、吸い込んだ空気を、どれだけ大量にすばやく吐き出せるかを測定します。
具体的にはスパイロメーターという器械を用いて、息を吸える限界まで精一杯吸い込んだ後、息を強く吐き出して、「最初の1秒間で吐き出せる息の量(1秒量)」と「強く吐き出したときの息の量(努力肺活量)」を測定します。そして、1秒量を努力肺活量で割った「1秒率」の値を求め、1秒率が70%未満の場合、COPDと診断されます。
スパイロメーターによる呼吸機能検査は、呼吸器内科で受けることができます。

COPDの治療法としては、禁煙、薬物療法、呼吸リハビリテーションなどがあり、さらに重症化した場合、酸素療法や外科療法が行われることもあります。しかし、喫煙を続けるかぎり病気の進行を止めることはできません5)。タバコをやめることは治療において何よりも重要です。
まずは呼吸器内科でCOPDであるかどうかの診断を受けていただき、COPDと診断されたものの「禁煙はむずかしい」と感じられる場合も、ぜひそのことを医師に相談してください。
禁煙をサポートするためのさまざまなプログラムや補助薬を利用したり、専門医の指導のもとで飲み薬を使って禁煙する方法もあります。一定要件を満たした医療機関では、薬物療法による禁煙治療は保険適用の対象となります。

  • 5. Anthonisen NR, et al. JAMA 1994;272:1497-505.

(参考)一般社団法人GOLD日本委員会 GOLD情報サイトを参照して記載 http://www.gold-jac.jp/

少しでも気になる症状がある⽅は
医師へご相談ください。

監修医 :
久留米大学医学部内科学講座 
呼吸器・神経・膠原病内科部門
教授 川山 智隆 先生